この受け口1年くらいかかります? いえ2か月半で
2026.05.26

8歳の男の子。
写真を見てもわかるように、舌の歯が前に出ている受け口、いわゆる下顎前突ですね。
「志村けんのアイーンみたいで」
と、お母さん。
横から見ると、こんな感じ。
右 ↓

左 ↓

「1年くらいかかりますかね」
そうおっしゃるお母さんですが、お顔を見てもアントニオ猪木のような、明らかに下の顎の骨が出ている感じではありません。
レントゲンを見て確認。
結果、骨格性の下顎前突ではないというのがわかりました。
「いや、もっと早く治りますよ、歯性の下顎前突ですから」
下顎前突、いわゆる受け口には、歯性のものと、骨格性のものがあります。
歯性。
文字通り、歯の並びが原因で、下の歯が上の歯より前に出ているもの。
本来歯は、上の前歯が下の前歯を覆いかぶさるようにして並んでいるものです。
そうではなく、顎の位置は正常で、この写真のように歯の並びが逆になっているのが歯性の下顎前突です。

骨格性の下顎前突。
下顎の骨自体が前に出てしまっているもの。
骨が前に出てしまっているので、顔貌に特徴があります。
横から見ると、明らかに下顎が突き出している状態です。
その極端な例は、ヨーロッパの名門王家ハプスブルク家。
そこの王さまたちは、見事なまでに下顎が出ています。
権利出典の関係でここでは出せませんが、一度、
「ハプスブルク家 あご」
で検索してみてください。
極端な下顎前突の肖像画を、これでもかというくらい見ることができます。
なかなかスゴイですよ。
おっと、失礼、話が脱線しました。
さて。
この患者さんの治療には、矯正装置を二つ使いました。
ひとつは歯を三次元的に動かすことができるブラケットとワイヤー。
もうひとつは咬合斜面版という床装置。
咬合斜面版は、下の前歯部に装着(自分で取り外し可能)し、咬むことによって、下から上の歯を前に押すのです。
二種類の矯正装置を同時に使うことによって、治療期間の短縮を図ります。
そして2週に一度の通院ペースで2か月半後、このような感じになりました。

右 ↓

左 ↓

矯正費用は18万円(税抜き)。
矯正治療をやる時のリスクである顎関節の異常、歯根の吸収、ブラッシング不足による虫歯などは起こりませんでした。
後戻り防止として、夜間就眠中の上下マウスピースの使用をお願いしました。
矯正治療には色々なやり方があります。
また、装置によって得手不得手があります。
例えば。
マウスピースのような床装置は「押す」には強いが「回転」は苦手。
ブラケットワイヤーは三次元的に歯を動かせるが、取り外しはできない。
等々。
ですから、それぞれの矯正装置のいいとこ取りをすると、歯を早く動かせるのです。
つまり、
「長所の組み合わせ」
ですね。
今回も、咬合斜面版という床装置で歯を押しつつ、ブラケットワイヤーで歯の位置を整える、を同時進行でおこなったので、2か月半という短期間できれいにすることができたのでした。
受け口が気になる方へ。
まず、歯性のものか骨格性のものか、歯科医院で診断しましょう。
そして、それぞれの症例にあったやり方で、治療していきましょう。
特にお子さんで骨格性の場合、早めの診断が今後の治療期間、仕上がりを、大きく左右いたします。
平木歯科・矯正歯科では無料矯正相談を受け付けております。
☎ 03‐3854‐0900

















