歯を抜かず
2018.07.30

「3人掛けの椅子に4人は座れない。一人に遠慮してもらおう」これが歯を抜く矯正の考え方。
「3人掛けの椅子に4人は座れない。椅子を大きくしよう」これが歯を抜かない矯正の考え方。
確かに今までは上下左右で合計4本の歯を抜いて始める矯正がほとんどでした。しかし現在は材料の質も良くなり、技術も進歩しました。何より虫歯でも歯槽膿漏でもなんでもない何も悪いことをしていない歯を、ただ生えている場所が悪いというだけの理由の歯を、いきなりそれも4本も抜くのはどうも気が進みません。
もちろん当院とて「絶対に、1本も歯を抜かない」というわけではありません。なかなか生え変わらない乳歯や余計な歯である過剰歯は抜くでしょう。また矯正治療をやってきてこの歯1本抜いた方が自然になる、予想以上に土台である顎の骨が成長してしまった、などというケースでは抜くこともあるでしょう。
いずれにせよ、まずは歯を抜かずに矯正を始めてどうしても駄目なら抜く、というやり方でいきます。歯を抜いてスタート、という場合も時にはあるでしょうが、いちどきに4本も抜歯して始めることはまずもってありません。